未分類 人間もどき その話を聞いたのは、友人が結婚して郊外に家を買ったというので、遊びに行った時のことだ。友人の家は新築で清潔感があり、周囲も静かな住宅街だった。夕食をご馳走になったあと、リビングでゆっくり話していた時、友人がふと妙な話を始めた。 「最近さ、隣... 2025.01.22 未分類
未分類 芋虫を飲む 「あの話、聞いたことある?」 友人が話し始めたのは、駅前の小さな居酒屋だった。少し飲みすぎて、俺も気が緩んでいたから、その話を聞いてしまったのがいけなかった。 「ほら、芋虫を飲み込んじゃうと、体の中で育つってやつ」 「子供の頃、そういう噂あ... 2025.01.14 未分類
未分類 疎水 ある冬の夕方、友人のSが突然、こんなことを言い出した。 「お前、疏水って気味悪いと思わないか?」疏水とは、町を流れる用水路のことで、古くから田畑の灌漑に使われている。長い年月が経ち、今ではほとんど使われなくなったその水路は、場所によっては鬱... 2025.01.13 未分類
未分類 跳ねる餅 年末の集まりで、地元の古い噂話をしていたとき、友人がふいに口を開いた。 「そういえばさ、跳ねる餅の話、知ってるか?」 跳ねる餅――?そんな話は聞いたことがなかった。 「昔、うちの祖父が言ってたんだよ。冬になると山道に餅が跳ねてる跡が残ること... 2025.01.13 未分類
未分類 くるくる工場 友人とふたりで古い廃工場に入ったのは、真夏の夕暮れ時だった。町外れのその建物は、地元では**「くるくる工場」**と呼ばれている。 由来は簡単だ。そこにある機械が、電源を入れてもいないのに回るらしい。「くるくる」――と、音も立てずに。誰もが冗... 2025.01.13 未分類
未分類 幽霊の残したこと その手紙は、体育館の倉庫で見つかった。 古びた茶封筒に、滲んだインクで**「3年4組」とだけ書かれていた。俺たちは好奇心から封筒を開けてみたが、中には便箋一枚だけ**が入っていた。 「私がここにいる理由を探して」 何も署名はなく、ただその一... 2025.01.13 未分類
未分類 伊勢にて 伊勢の外れにある古い町を歩いていたのは、旅の帰り道のことだった。 観光地から少し離れたその町には、昔ながらの家々が並んでいたが、どこか静かすぎる。時折吹く風が、軒先に吊るされた風鈴を鳴らす以外、音がしない。まるで、町全体が眠っているようだっ... 2025.01.13 未分類超恐話
未分類 赤いラベルのカセットテープ 俺たちの学校には、決して触れてはいけないカセットテープがある。 古い木製の棚にぎっしりと詰まった、昔の学校行事の録音テープ。その中の一つに、再生すると"声が増える"テープがあるのだという。 放送部の先輩たちは、皆それを知っているが、話すこと... 2025.01.13 未分類
未分類 先生がおかしくなった 俺が通っていた小学校では、先生が消えるという噂があった。ある日突然、担任の先生がいなくなる。理由は教えてもらえず、新しい先生が何事もなかったかのように現れる。クラスメイトたちはみんな薄々気づいていた。――学校に変なのがいるのだ、と。 6年生... 2025.01.13 未分類
未分類 ぐにゃぐにゃ 小学生の頃、近所で奇妙な噂があった。「ぐにゃぐにゃに気をつけろ」 ぐにゃぐにゃ――そう呼ばれるものは、姿形がはっきりしない。ただ言われていたのは、そいつに出会った子供は姿を消してしまうということ。 「夜の公園には行くな」「人気のない道を一人... 2025.01.13 未分類