超恐話

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まぜっこ人間

俺が子供の頃、近所の公園に変わった遊びがあった。**「まぜっこ遊び」**と呼ばれていて、砂場の隅っこにみんなで集まり、土や砂をかき混ぜるだけの、単純な遊びだ。 ただ、その遊びには一つ、絶対のルールがあった。 「“まぜっこ人間”が来たら、すぐ...
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釘の痛み

あれは、俺が高校生の頃の話だ。夏休みのある日、俺は足の裏に釘を踏み抜いた。廃材置き場を通り抜けようとしたとき、錆びた釘が飛び出した板を踏んでしまったんだ。 「あっ、痛ッ!」 最初は、チクリとした程度だった。だが靴下に血が滲むのを見て、ようや...
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洋梨と高田くん

篠突く雨――あれは、まるで空が怒り狂ったような日だった。窓ガラスを打ち付ける雨粒は狂騒のリズムを刻み、屋根の軋みが絶えず耳に届いていた。何より、あの「洋梨の絵」が消えたのは、そんな日だった。 高田くんは美術部の片隅で、いつも黙々とキャンバス...
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裏路地の空き地

あの空き地は、僕たちにとって秘密基地のような場所だった。町の裏路地を抜けた先に、急に開ける空き地がある。草はぼうぼうに生えていて、所々に崩れかけたブロックや錆びたドラム缶が転がっていた。 夕方になると、大人たちはあまり近づかなくなる場所だっ...
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白いロープの記憶

あれは、僕が中学二年生の頃のことだ。あの頃の僕は、日々がまるで泥の中を這うようだった。家庭は、言葉を選ばずに言うなら「壊れていた」。 父は仕事を理由に家に寄りつかず、たまに帰ってきたかと思えば無言で酒をあおるだけだった。母は母で、細い体で家...
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夕暮れの公園

あれは、小学生の頃のことだ。蝉の声が耳にうるさくまとわりつく、真夏の夕方。公園はまだ子供たちの声で賑やかだったが、その時、僕はひとりでブランコに座っていた。友達とはしゃいで遊んだ後、少しひと息ついていたのだろう。 夕日が木々の間から射し込み...
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寄り添う女

あの出来事は、今でも忘れられません。何の前触れもなく、静かに忍び寄る恐怖というものを初めて味わった夜でした。 それは友人の部屋でのことでした。彼が引っ越したばかりのアパートに遊びに行ったときです。築年数は古いものの、家賃が手頃で広さも十分、...
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夏の血痕

それは夏の真っ盛り、まるで空が焼けるような日差しの下での出来事でした。湿気を含んだ空気が肌にまとわりつき、影もほとんど涼しく感じないような昼下がりでしたね。私達はキャンプの帰り道で、ふと車を止めて林の中に入ったんです。ほんの軽い探検気分でし...
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春先の海辺で

春先のことだったと思います。風はまだ冷たかったけれど、日差しが強く、冬の間に鈍った体をほぐすような陽気でした。私達は大学生で、友人たち数人と連れ立って海に行きました。季節外れの海は閑散としていて、砂浜も波打ち際も、私達以外に人影はほとんどあ...
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ばぁーか星人

その話が流行ったのは、私が中学2年生の頃。クラスの一部で「ばぁーか星人」という奇妙な噂が話題になっていました。その名の通り、会った人に「ばぁーか」と言うだけの化け物で、深夜の街角や学校の廊下に現れるとされていました。 ただの子供じみた悪ふざ...