大学生時代、突然、知らないアドレスからメールが届くようになったんです。
最初は「間違いかな」と思いました。
でも、内容が奇妙だったんですよ。
「君は元気か」
「次はいつ会える?」
「忘れていないよね」
差出人は表示されないし、誰が送っているのかわからない。
気味が悪くなって無視していたら、メールの数が日に日に増えていくんです。
朝起きると未読が100件以上、授業の合間にスマホを見るとまた増えている。
そのうち内容が変わってきました。
「そこにいるね」
「見えているよ」
「振り返らなくていい」
耐えきれなくなって、スマホを変えようと思ったんです。
でも、次の日、買い替えたばかりのスマホにまたメールが来ていたんですよ。
アドレスも変えたのに、どうして?
最後に届いたのは、ある夜のことです。
「窓の外を見て」とだけ書かれたメールが届きました。
思わずカーテンを開けたんです。
そこには…誰もいませんでした。
でも――ガラスに映る私の後ろに誰かが立っていたんです。
振り返ると、そこには誰もいない。
ただ、スマホの画面には最後のメールが。
「もう忘れないよね」
それを最後に、メールはぱったりと来なくなりました。
でも、どうしてか今でも、夜になると…誰かが私を見ている気がするんです。
特に、窓の外から。
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