ある晩、俺は友達と山道を歩いていた。星がよく見える夜で、空は澄み渡っていた。俺たちは冗談を言い合いながら、暗い山道を進んでいた。
突然、何かが俺の頭の上に落ちてきた。反射的に頭を触ると、冷たくてヌルッとした感触がした。驚いて手を見てみると、そこには目があった。人間の目だったんだ。
俺は恐怖で凍りついた。友達もそれに気づき、全員が黙り込んだ。落ちてきた目は、まるで生きているかのように、じっと俺を見つめていた。
「どうする?」誰かが小声で言ったが、誰も動けなかった。目はただ、俺の手の中でじっとしていた。
すると、風が吹いて、目がポトリと地面に落ちた。俺たちはそれを見て、我に返った。俺たちは声を出さずに、ただ山道を駆け下りた。
家に戻った後、あの目がどうなったのか誰も確認しに行かなかった。次の日、恐る恐るその場所に行ってみたが、何もなかった。目も、血痕も。
ただ、それ以来、俺は夜空を見上げると、あの目がまた落ちてくるんじゃないかと感じるんだ。あの目は一体どこから来たのか、それとも誰のものだったのか、今でもわからない。
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