牛乳の中の肉片

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当時、学校の給食には毎日「牛乳瓶」が出てたんだよ。今じゃ紙パックとかが主流だけど、俺たちの学校ではまだ昔ながらのガラスの牛乳瓶を使ってたんだ。それが妙に重たくて、飲み終わった後に机の上に並べておくと、ガラスのカチカチ音が響くのが好きだった。

でも、ある日のこと、何かおかしな出来事が起こったんだ。

その日もいつものように給食を食べて、牛乳を飲み終わった後、みんなで牛乳瓶を片付けようとしてたんだけど、一人の友達が急に「これ、なんだ?」って言い出したんだ。見ると、彼の牛乳瓶の中に、何か妙なものが入っていたんだ。

よく見ると、それは「肉片」だった。小さな赤い肉の塊が、牛乳の底に沈んでいたんだよ。俺たちは最初、それが何なのか全く分からなかった。ただ、瓶の底に沈んでいるその肉片を見た瞬間、全員が「気持ち悪い……」としか言えなかった。

先生に見せたら、すぐに給食室に持っていかれたんだけど、給食室の人たちも「どうしてこんなものが入っていたのか分からない」と首をかしげてた。

最初は「何かのミスで肉が混ざっちゃったんだろう」ってことで片付けられたんだけど、それからというもの、毎日何人かの牛乳瓶に、同じような「肉片」が沈んでいることが続いたんだ。それも、一人や二人じゃなく、クラスのあちこちで。

牛乳瓶を飲み終わってから瓶を覗くと、小さな肉片が底に沈んでいる。みんなそれを見つけるたびに、気味が悪くなって、そのうち誰も牛乳を飲まなくなってしまった。

何が原因だったのか分からないまま、学校側は給食の牛乳を一時的に中止することにしたんだけど、噂では「誰かが意図的にやってるんじゃないか」とか、「学校のどこかで牛乳に混ざってるんじゃないか」とか、妙な話が飛び交うようになった。

その後、給食に出る牛乳は紙パックに切り替わって、牛乳瓶は使われなくなった。でも、あの牛乳瓶に沈んでいた肉片のことは、今でも記憶に残ってるんだ。

ある日、先生がこっそりと「実はあの肉片は、動物のものじゃなかったらしい」って話してたのを聞いた時、背筋が凍った。結局、あの肉片が何だったのか、誰もはっきりとしたことは分からないままだったけど、今でも牛乳瓶を見ると、あの日の不気味な出来事を思い出してしまうんだ。

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