ある日、俺は友達と一緒に山の近くにドライブに行ったんだ。天気も良くて、空は快晴。遠くに見える山々が青々としていて、自然の中にいるだけで気持ちが良かった。そんな風景を楽しみながら車を走らせていたんだけど、ふとある山の稜線が目に入ったんだ。
何気なく遠くの山を見ていたんだけど、その瞬間、妙なものに気づいた。
「ん?あれ……顔に見えないか?」
そう思ってよく見てみると、山の稜線がまるで「顔文字」みたいに見えるんだ。鼻みたいな突起があって、その両側に目みたいな凹みがあって、まるで「(・_・)」みたいな顔にそっくりだったんだよ。
「おい、見てみろよ、あの山、顔文字みたいじゃないか?」って友達に言ったら、最初は笑いながら「何言ってんだよ!」って言われたんだけど、彼もよく見てみると、「ほんとだ、なんか顔に見えるな……」って不思議そうにしてた。
それから、俺たちは冗談半分で「あの山、(・_・)顔文字山って名前にしようぜ!」なんて言いながら、景色を楽しんでた。だけど、なんとなくその顔文字に見える山の稜線が、時間が経つにつれて微妙に変わっているような気がしてきたんだ。
最初はただの山の形に見えてたんだけど、次第にその「顔文字」が、少しずつ表情を変えてるように感じた。例えば、目が少し大きくなってたり、口元がにやりと笑っているように見えたり。
「気のせいだよな……?」って思いながらも、俺はなんだかその山を見続けるのが怖くなってきたんだ。何か、生きてるように感じてきたというか。遠くの山の顔文字が、こちらをじっと見ているような、そんな気がして。
結局、あの山を通り過ぎてしまったんだけど、何とも言えない不気味さが残った。普通の山のはずなのに、あの顔文字みたいな稜線が、あまりにもはっきりしていたことが妙に気にかかったんだ。
後日、またその場所に行ってみたんだけど、今度はどこにも顔文字みたいな山は見当たらなかった。稜線はただの山で、俺たちが見た「顔文字」らしきものは消えていたんだ。
あの日、俺たちが見たあの顔文字の山は、何だったんだろう。
コメント