髪が浮いている

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今まさに、俺の目の前で起こっていることを書いてる。信じてもらえるか分からないけど、誰かに伝えないと頭がおかしくなりそうだからさ。

まず、これは俺の部屋だ。特に変わったこともない、普通の部屋。さっきまでリラックスして、ベッドに横になりながらスマホをいじってたんだ。けど、ふと部屋の隅っこにある棚の上で、何かが動いた気がして、目をやった。

そこには、昔からずっと置きっぱなしになってた積み木があったんだよ。子供の頃に遊んでたやつで、もう触れることもない。ただのインテリアのようなものだと思ってたんだけど……今、その積み木が、ゆっくりとひとりでに動き始めた。

いや、もっと正確に言うと、積み木がひとつずつ空中に浮かび上がって、勝手に積み上がってるんだ。目の前で、重力を無視して宙に浮いて、しかもきれいに揃えて積み重ねられていく。まるで、誰かが丁寧に作業しているみたいに見える。

最初は「風か何かで動いてるんだろう」と思った。でも、風なんて吹いてないし、窓も閉めてる。目をこすって、何度も見直してみたんだけど、どう考えても目の錯覚じゃない。積み木は完全に浮いていて、自分で動いてるんだ。

その瞬間、背筋がゾクッとしたんだ。部屋に一人のはずなのに、誰かの気配を感じた。

そして、視界の端っこに何かが映った。振り向くと、そこには「髪の毛」があった。いや、正確に言うと、髪の毛だけが空中に浮いてるんだ。何の体もなく、ただ黒い髪の毛が宙を漂ってる。まるで、見えない誰かの頭だけがそこにあるみたいに、髪がゆっくりと揺れている。

俺はベッドから飛び起きて、どうしていいか分からないまま、その髪を見つめ続けた。けど、逃げるにしても、どこに逃げたらいいのか分からない。部屋から出るのが怖いんだ。だって、積み木が勝手に動いて、髪の毛が浮いている空間に、今俺はいるんだぞ?

これを書いてる間も、積み木はどんどん積み上がっていくし、髪の毛はそのまま宙を漂ってる。今まさにこの瞬間、俺は目の前でこれを見ている。何が起こってるのか、全く分からない。

とにかく、誰かに話さないと、正気を保てない気がする。これが終わったら、すぐにでも外に逃げ出すつもりだ。でも、その髪の毛が俺をじっと見てる気がして、動けないんだ。

助けとかじゃない。ただ、これを書いてるうちに、少しでも何かが変わるかもしれないと、そんな気持ちで続けてるんだ。

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