後ろ

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先日、友人たちと集まっていた時、ちょっとした怖い話をする流れになった。みんなで一番怖かった経験を話している中で、ふと思い出した出来事がある。これは、ほんの数週間前に僕自身が体験した話だ。

あの日、僕はいつものようにスマートフォンでニュースを見ていた。ふとした瞬間、通知が来た。見覚えのない番号からのメッセージだった。

「こんにちは、覚えてる?」

そんな簡単なメッセージだった。最初は誰かの間違いだろうと思って、特に気にしなかった。しかし、少ししてからまた同じ番号からメッセージが届いた。

「久しぶり。最近どうしてる?」

それで少し気になってしまった。知らない番号だけど、何か知っているような雰囲気のメッセージ。念のため返信してみることにした。

「どちら様ですか?」

すぐに返事が来た。

「冗談だろう?忘れたの?」

その瞬間、背筋がゾクッとした。誰かが僕のことを知っていて、からかっているのかと思った。少し不安になりながらも、心当たりがないか考えてみた。でも、思い浮かぶ人物はいなかった。

その日はそれ以上のメッセージは来なかったので、気にせず寝ることにした。次の日、また同じ番号からメッセージが来ていた。

「今日はあの場所に来てくれる?待ってるよ。」

あの場所?どこだかまったく分からないし、そもそも行く気もない。でも、何か嫌な予感がして、少し恐怖を感じ始めた。

友人たちにもこのことを話してみたが、みんな冗談だろうとか、誰かのいたずらじゃないかと言うだけだった。確かにそうかもしれないと思い、少し気が楽になった。

しかし、その日の夜、帰宅して部屋に入った瞬間、スマホが震えた。またあの番号からのメッセージだ。

「後ろを見て」

その瞬間、全身が凍りついた。誰もいるはずがない。でも、恐る恐る振り返ってみた。

そこには、何もなかった。

ただ、どうしても振り返った瞬間の視線が、何かを捉えたような気がしてならなかった。空気が重く、まるで誰かがそこに立っていたかのような感覚。

それから数日は何もなかったが、今でも時々、スマホが震えるたびに、あの時の恐怖が蘇る。あの番号には返信していないし、誰かがいたずらをしていたのか、それとも何か他のものだったのか、未だに分からない。

あの日のことを思い出すたび、どうしても背筋が寒くなる。

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