さらに掘り下げると、単なる学校の噂話にとどまらず、地域全体に関わる奇妙な背景が浮かび上がってくる。以下に、より詳細な情報をまとめてみた。
グログロさんの噂は、最初は小学校内だけで語られていた。しかし、近隣の中学校や地域の公園、さらに地元の住民の間でも似たような話が聞かれるようになった。
例えば、ある中学生は「グログロさんを見た」と言い始めた。彼女は塾の帰りに裏道を通った際、街灯の下で「黒い影がぐるぐると渦を巻いていた」と証言している。その影は人の形をしていたが、目や口のような顔のパーツが全くなく、ただ蠢いていたと言う。
さらに、地域の公園でも似たような出来事が報告されている。夜になるとブランコが誰も乗っていないのに揺れ、その周りで「グロ、グロ」という音が聞こえたという話だ。
こうした目撃談が町中に広がるにつれ、グログロさんの正体について、ただの学校の噂話ではないのではないかという憶測が生まれた。
噂の背景を探ると、町に古くから伝わる不吉な事件や言い伝えと結びつけられることが分かる。
裏棟の由来
小学校の裏棟は、もともと学校建設の際に計画されていなかった部分だと言われている。敷地内にあった古い屋敷を取り壊し、その跡地を活用して建てられたらしい。しかし、その屋敷は戦後間もない頃に焼け落ちていて、その火事で住人の一家が亡くなったと言われている。
地元の古老によると、焼け跡には「奇妙な形をした黒い焦げ跡」が残っており、それが何となく人の形に見えたことから、「この場所には何かが残っている」と囁かれるようになったらしい。
名前の由来
「グログロ」という名前についてもいくつかの説がある。一説では、音そのものが名前になったという単純なものだが、別の説では、亡くなった子供が事故の際に「苦しい」と言おうとした声が「グロ、グロ」という断片的な音になったのではないか、とも言われている。
また、古い方言で「ぐろぐろ」という言葉が「不気味に回る」や「迷う」という意味を持つとも言われており、その意味から名前がついた可能性も考えられる。
噂を信じるかどうかは別として、実際に「グログロさん」に関連する出来事を体験したと主張する人々がいる。いくつかの事例を挙げてみよう。
事例1:消えた足音
ある小学校の教諭が、夜に忘れ物を取りに裏棟に入った際のこと。無人の階段から「誰かが上る足音」が聞こえた。誰もいないはずだと思いながらも、「生徒が残っているのでは」と思い、音のする方を確認しに行ったが、そこには誰もいなかった。気味が悪くなり、その日は早々に帰宅したが、後日その教諭は原因不明の高熱で数日間休むことになった。
事例2:夢に現れる影
ある生徒が「グログロさん」を呼び出す遊びをした翌日、同じ影を夢の中で見たと言う。その夢では、階段を上る途中で足を掴まれる感触があり、振り返ると顔のない黒い影がすぐ後ろに立っていた。その生徒はしばらく学校に行けなくなり、噂がさらに広まるきっかけとなった。
事例3:追いかける音
夕方、体育倉庫から帰る途中の児童が階段を駆け下りる際、「グロ、グロ」という音が背後から追いかけてきた。恐怖で振り返ることはできず、全力で逃げたが、翌日その児童のランドセルには黒い汚れのような跡がついていた。
この噂が広がるにつれ、小学校側も対応を余儀なくされた。裏棟の階段を封鎖し、「老朽化による安全管理のため」と説明したが、地元住民の間では「グログロさんの封印」と囁かれている。
さらに、噂を信じた一部の保護者が、子供たちを守るために神社にお祓いを依頼したという話もある。神主は「何か重い気配を感じる」と述べ、その場所にしめ縄を張るよう勧めたが、学校側はこれを拒否したらしい。
これだけ多くの目撃談や噂がある一方で、「グログロさん」が何であるのかについては、科学的な説明もできていない。ただ、心理学的には、古い建物や薄暗い場所で感じる不安感が集団心理を刺激し、「怪談」を生み出す原因になると言われている。
しかし、それだけで説明できない部分も多い。特に、複数の目撃談が一致している点や、影響を受けた人々が実際に身体的な異変を経験していることは、不気味さを増している。
もし君が興味を持ったとしても、くれぐれもその階段に近づかないほうがいいよ。噂話は話している間は面白いけど、試しに確かめると、取り返しのつかないことになるかもしれない。
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