小学校で流行る怪談には、たいてい特定の場所や儀式が結びついていることが多いよね。「放課後の教室で名前を三回呼ぶ」とか、「体育倉庫の扉をノックする」とか。で、グログロさんもきっとそんな感じなんだろうと思って調べてみたことがある。
聞いた話をまとめると、こんな感じだ。
グログロさんの噂
グログロさんは、町の小学校の古い階段に現れる存在だという。その階段は、普段は使われていない裏手の棟にあって、夕方になると誰も近づかない。階段を上るとき、特定の段に足をかけると「グログロ」という音が聞こえるんだそうだ。
その音を聞いてしまったら、絶対に振り返ってはいけないらしい。振り返ると、背後に「グログロさん」が立っているという。グログロさんの正体は誰もはっきり見たことがない。ただ、その姿を見たと言われる人たちは「影がぐるぐる渦を巻いていた」とか、「顔が泥のように崩れていた」とか曖昧なことを言うんだ。そして、その人たちは必ず何かしらの不幸に見舞われたと噂されている。
さらに詳しく聞くと、グログロさんが現れる階段は実は昔、事故があった場所らしい。そこから落ちた子供がいて、その子供が救いを求めて「助けて」という声を上げたけど、誰にも気づかれず、最後は何かを掴むようにして階段の下で亡くなった――そういう話がもとになっているらしいんだ。
この手の噂は、どの学校でもどこか似たような怪談があるものだけど、「グログロさん」という名前は妙に耳に残る。それに、こういう話には、たいてい本当に噂の階段で何かを体験した人がいるから成り立っている。
君がもしその小学校の近くを通ることがあれば、ちょっと気をつけてみるといいかもね。でも、試しに階段を上って「グログロ」を確かめようなんて考えないほうがいい。もし本当に音が聞こえたら、振り返らずに階段を駆け下りるんだ。何かが後ろにいるとしても、それを見ないほうがいいんだから。
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